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訓練手引書について

 

平成七年三月二日放送
船員災害防止協会安全管理士
戸澤明雄

 

各船での洋上教育や裸線などの実施にあたっては、船員災害防止協会発行の訓練手引書を広く活用していただいております。
この手引書は、昭和六十一年に初版が発行されて以来、平成三年発行の第四版まで、約一万七千冊以上が発行されています。
ここで訓練手引書が発行された背景をお話しします。
一九七四年の海上における人命の安全のための国際条約、いわゆるソーラス条約の第二次改正が昭和五十八年六月に採択され、六十一年七月一日に発効することとなったため、それに併せて、わが国の関係法令も整備されました。
その際、ソーラス条約の第三章第十八規則「退船訓練」の国内法化で、船員法施行規則の一部改正が行われ、一部を除く旅客船や、遠洋、近海区域を航行する船舶、主に沿海区域以外で操業する漁船に、操練、船上教育、船上訓練が義務付けられました。
同時に該当する船舶の船長には、救命設備の使用方法や、海上での生存方法に関する「訓練手引書」を船内の食堂、休憩室、その他適当な場所に備えておくことが義務付けられました。
当協会はこれらの改正に併せて「訓練手引書」を作成し、初版を発行しました。
次に、訓練手引書の内容について説明します。
ソーラス条約の第三章「救命設備」の第五十一規則「訓練手引書」には次のことが規定されています。
まず、船舶に備えられる救命設備や生存のための最良の方法に関する指示、情報を可能な限り図解し、理解しやすい用語を用いて記載すること。
そして次の事項については詳細に説明することが述べられています。
救命胴衣、イマージョンスーツの着用指定された場所における招集。
救命用の端艇、いかだなどの進水、離船。

 

 

 

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